ザンスカール帝国軍「ベスパ」の戦艦
巨大な車輪を持ち地上を走行できる特異な2輪戦艦。「地球クリーン作戦」を実行するために編成されたモトラッド艦隊に配備され、複数の同型艦が宇宙から大気圏に突入している。「地球クリーン作戦」は地球の地ならしをすることを目的とした作戦で、この船の前後に装着されている巨大なタイヤは地球上の人工物を踏み潰すためのものだった。
タイヤによる物理的な破壊力の他に火力もすさまじく、大型メガ粒子砲16門、その他のメガ粒子砲7門、合計23門にもおよぶメガ粒子砲や、数多くの対空ビーム砲、対艦ミサイルランチャーで敵を圧倒した。アドラステアが月から出撃した際にはリーンホースJr.と1対1の砲撃戦を行うことになるが、この船はその圧倒的な火力でリーンホースJr.を後ずさりさせている。
モビルスーツ射出用のカタパルトは存在せず、モビルスーツは船中央の下部に設置されたモビルスーツデッキから出入りしていたため、モビルスーツ運用能力については火力ほどのアドバンテージを持っていなかったのかもしれない。
防御力は非常に高く、V2コアファイターの特攻を受けて巨大な火球に飲み込まれてもその動きを止めることはなかった。
ザンスカール戦争終盤に戦線に投入されたアドラステアは、自らを旗艦とするモトラッド艦隊と共に地球に降下し「地球クリーン作戦」を実行する。しかし、そのさなか、ザンスカール帝国上層部と地球連邦軍が停戦協定を結んだため作戦は中止された。モトラッド艦隊は「地球クリーン作戦」を実行するために編成された部隊なので作戦が中止になった以上組織を解散させられる可能性もあったが、その後も艦隊は維持され、エンジェル・ハイロゥ地球降下作戦などに従事している。
エンジェル・ハイロゥ降下作戦ではリーンホースJr.の特攻を避けられず爆散、アドラステアとリーンホースJr.が引き起こした巨大な爆発によってモトラッド艦隊全体も消滅した。
この戦艦を考案したのは大のバイク好きのドゥカー・イクであり、この船がバイクっぽいのはそのせいの可能性が非常に高い。ドゥカー・イクはアドラステアを開発するに当たり、バイク型のモビルアーマー「ガリクソン」に自ら搭乗し開発用データを積み上げるなど積極的に行動し、この船の建造を実現するために多くの努力を払っている。