宇宙世紀 0153年5月28日
ベスパのモトラッド艦隊は、地球クリーン作戦を実行し北アメリカ大陸を北上していたが、この日、突如としてザンスカール帝国と地球連邦政府の間で休戦協定が締結される。最前線にいたモトラッド艦隊は、この休戦協定の話を事前に知らされておらず、突然の戦闘停止命令に戸惑いを隠せないでいた。
この休戦協定は、ザンスカール帝国上層部が時間稼ぎを目的に締結を急いだ一時的な協定だったため、和平に向けての恒久的な協定ではなかったが、事情を知らない前線の将兵の中には、突然協定を結んだ上層部に不満を持つ者もいた。
リガ・ミリティアは、捕えられたウッソの母ミューラ・ミゲルを奪還するためにモトラッド艦隊を止めようと必死に戦っていたが、激しい戦闘の中、ウッソの目の前でミューラ・ミゲルは死亡。その直後に休戦協定が発効され戦闘が停止された。
リガ・ミリティアはミューラ・ミゲル奪還作戦の前に、同じくベスパに捕えられていたシャクティ・カリンを何とか救出していたが、ベスパの激しい抵抗にあい、ミューラをその時一緒に救出することができなかった。そのことが、このとんでもなく残酷で悲しい結末を結びつくとは、その時は誰も想像することができなかっただろう。
【参考文献: 『 総解説 ガンダム事典 Ver.1.5 』 講談社(KCデラックス)】
ゾリディアに乗るゴズ・バールはミューラをモビルスーツの手に握り、彼女を楯にしてV2ガンダムを落とそうとするが、ゾリディアの下半身を切断されアドラステアの主砲に引っかかる。ウッソは、母を握りしめているゾリディアの腕を切り落として、何とか彼女を救おうとするが、そこに、前方を走っていたリシテア級巡洋艦がバランスを崩して激突。ミューラはウッソの目の前でその命を失ってしまう。 |